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f(フォルテ)の奏法
fを吹く時の息は遅く
フルートでfを吹く時の息は、遅い方が良い。」
初めて、そう言われた時、とても驚きました。
それまで、息のスピードを上げることを目標としてきたのですから。
それから長い年月がたって、
今、私は、私の生徒さんたちにこう言っています。
「フルートでfを吹く時の息は、遅い方が良い。」
もちろん、音域や、音量によって、多少の違いはありますが、
「フルートでfを吹く時の息は、遅い方が良い」と考えましょう。
息のスピードに頼ると、次のようになってしまいます。
・fを吹くと、すべての音の音程(ピッチ)が高い。
・高い音に行けば行くほど、音色の響きが薄く、輝きが失われてしまう。
・低い音に行けば行くほど、ひっくり返るようになり、
それを防ぐために息を「弱める」ため、音量を出せない。
これらは、息のスピードを上げることのみで、
音量を出そうとする結果です。
きらきらと輝く音の魅力や、美しい演奏から、遠ざかることばかりです。
では、どうすれば良いのでしょう。
そう、息のスピードを遅くすれば良いのです。
遅くと言っても、力のない、まとまりのない息ではいけません。
身体の奥深くから、太めに、あくまでも楽に、自然に息を出す。
その息を半分以上楽器の中に入れるつもりで演奏しましょう。
「吹く」というより、「響かせる」イメージを持つことが、
美しい音につながります。
「強く」「大きく」というより、「豊かに」響かせましょう。
「エッジに息を吹きつける」のではなく、
「楽器の中に音を共鳴させる」ことを、最終目標としましょう。
そうすれば必ず、会場いっぱいに響き渡る音色を出すことができます。